史跡散歩ガイド 古民家食庵 伝法寺庄

施設の紹介

くつろぎの古民家

お食事処の建物は明治13年建築の入母屋造の木造平屋建ですが、大正5年に茅葺から瓦葺に改修し、その時に書斎や二階建を増築しました。今も座敷の襖に貼られている6枚の書画にも丁巳(ひのとみ)大正6年の銘があります。建物は柱や梁の太い農家住宅で、柱は荏油でよく磨かれ黒光りし、白い漆喰とのコントラストが重厚感と柔らかな質感を感じさせ、畳、障子、襖の和室は落ち着きがあります。座敷から眺める池庭は小さいながら、セキショウやツツジ、ウメなどが石橋と石組、建物や山並みの借景と調和し、夏にはホタルが舞う、くつろぎと癒しの空間となっています。

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豊前宇都宮氏の古里"城井谷、伝法寺庄"

お店の名前はここ伝法寺が平安時代に宇佐神宮の荘園(神領)、「伝法寺庄」と呼ばれたことに由来します。伝法寺庄は鎌倉時代には豊前宇都宮氏の初代、信房が九州平定の恩賞として源頼朝から賜った所領です。この古民家は平成27年に竹内家から地域のために役立てほしいと、築上町に寄贈されました。竹内家は古くからの城井谷の在地領主で、宇都宮氏の有力家臣、伝法寺氏の末裔です。戦国時代には鎮房の重臣、伝法寺兵部の名が知られ、宇都宮氏滅亡後、伝法寺氏は姓を名乗らず、代々宇都宮氏の氏神である岩戸見神社の宮柱を世襲する家として存続し、明治時代には伝法寺という地名を冠する姓は過分であると、屋敷まわりに竹が繁茂していたので、竹内氏を名乗るようになります。現在の住宅の建設時の当主は竹内徳松(1859~1947)で、上城井村の議員や助役を務め、また農事改良活動や、肥料購入などの信用購買組合を設立するなど、地域の発展に貢献しました。


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