2013年01月15日コラム
旧蔵内邸の調査現場より~2
さていよいよ4月に一般公開される旧蔵内邸では修理にともなって建物の片付けをしたところ、木箱の中から古い書類が大量に出てきました。まだ資料の整理ができていませんが、その中に大正時代の帳簿があり保有有価証券の明細がありました。蔵内鉱業株式会社と一族関係者の総額が、16,334,387円50銭です。今の金額にすると、計算式は難しいですが、消費者物価ですと約5,000倍で約817億円です。この他にも事業収入ほか鉱山や銀行の出資金など莫大な資産があることがわかります。詳細は今後の専門的に解読していく必要があります。
またこの帳簿から蔵内家は炭坑だけでなく鉱山も多く経営していることがわかります。錫や亜鉛などの尾平鉱山(大分県)は有名ですが、そのほかにも金山を5ヶ所経営しており、長崎県西彼杵郡の大串金山や中津市山国町の旭金山、杵築市山香町の立石金山、岡山県和気郡の日笠金山など小規模ですが所有しています。
このほかにも昭和初期の事務日誌があり、炭坑を古河鉱業に売却する記述や大分市の高崎山7万坪を寄進する記述も見られます。今後の解読が楽しみです。
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さて上の写真は大広間の畳替えの時に、畳下の板に描かれていた鯉と鯛の絵です。大工さんが遊び心で描いたのでしょうか。筆勢のあるなかなかの絵です。